- 介護の仕事はどんなもの
- 給料が気になる
- 介護士ってきつい仕事なの
介護職とは、高齢者や障害を持つ人々の日常生活を支える仕事です。
これは食事や入浴、排泄といった基本的な生活のサポートから、レクリエーションの企画や心のケアまでを含みます。
また、医療の現場で医師や看護師の補助をすることもあります。
この記事を読んで頂ければ、介護士の仕事について理解を深めることができます。
パッと読むための目次
2. 介護職の職場と業務内容
介護職は非常に幅広い業務内容を持っています。具体的には以下のような業務が含まれます。
1. 身体介護: 身体介護は、利用者の身体的な援助を行う業務です。これには、入浴、排泄、食事の補助、着替えの補助、移動の補助などが含まれます。特に重度の身体障害を持つ利用者や高齢者に対しては、日常生活での身体的なサポートが重要となります。
また、身体介護の一部としてリハビリの支援も行います。これは、高齢者や障害者が自立した生活を送るために必要な身体機能の回復や維持を目指す業務です。
2. 生活援助: 生活援助は、日常生活の中で必要な作業をサポートする業務です。これには、掃除や洗濯、買い物、料理の準備などの家事全般が含まれます。利用者の生活リズムや生活習慣に合わせた援助が必要となるため、利用者の心情やニーズを理解する高いコミュニケーション能力が求められます。
3. その他業務: その他の業務とは、介護以外の幅広い業務を指します。これには、レクリエーションの企画や運営、心のケア、家族への報告などが含まれます。
レクリエーションの企画や運営では、利用者が楽しみながら心身の健康を維持するためのアクティビティを提供します。これには、適切な活動を計画し、実施するための組織力やリーダーシップが求められます。
心のケアでは、利用者の心の健康を支えるための対応を行います。これには、心理的なストレスや不安に対する理解と共感、適切な対応が求められます。
家族への報告では、利用者の状況や変化を適切に伝えるためのコミュニケーション能力が求められます。これには、親身な対応や、専門的な知識をわかりやすく伝える能力が求められます。
これらの業務を一日の中でバランスよくこなすことが求められます。また、それぞれの業務には専門的な知識や技術、人間力が必要となります。そのため、介護職は高い専門性と責任感を持つ職業と言えます。
3. 介護職場の種類と特徴
介護士が働く施設は大きく分けて「居宅サービス」、「施設サービス」、「デイサービス」の3つに分類されます。それぞれの職場で、介護士の役割と職場の特性が異なるので、自分に合った職場を見つけるためにも理解しておくことが大切です。
1. 居宅サービス: 居宅サービスは、利用者の自宅を訪問し、直接介護サービスを提供する仕事です。主な業務は、身体介護と生活援助です。このうち、身体介護とは、入浴や排泄の補助、着替えの補助など、日常生活で必要となる身体的なサポートを指します。また、生活援助とは、食事の準備や清掃、洗濯などの家事や、買い物や公共施設への同行といったサポートを指します。居宅サービスでは、一人ひとりの生活環境とニーズに合わせたサービスが求められます。そのため、高いコミュニケーション能力や、利用者の心理や状態を理解し対応する能力が必要とされます。
2. 施設サービス: 施設サービスには、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどがあります。施設サービスでは、24時間体制での介護を行うため、夜勤が含まれることも多いです。介護老人保健施設では、リハビリテーションや医療サービスも提供するため、介護だけでなく看護の技術も必要とされます。特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、利用者の生活全般をサポートします。そのため、食事の提供からレクリエーションの企画まで、多岐に渡る業務を担当します。
3. デイサービス: デイサービスでは、利用者が日中に訪れ、様々なサービスを受けられます。主なサービスとしては、リハビリテーション、入浴、食事、レクリエーションなどがあります。デイサービスでは、利用者が元気な状態を維持し、日常生活を楽しむことができるよう、さまざまな活動を企画・提供します。そのため、企画力やコミュニケーション能力が求められます。
以上のように、介護職場はそれぞれ異なる特性と役割があります。自分の能力や適性、働きたい環境に合わせて、最適な職場を選ぶことが重要となります。また、それぞれの職場で求められるスキルや資格も異なるため、自分が目指すキャリアに応じて、必要な研修や資格を取得することも大切です。
4. 介護士の仕事例
1. 身体介護の例
身体介護は、利用者の身体機能のサポートを主な仕事とします。以下に具体的な例を示します。
- 移動補助: 利用者が移動する際には、介護士がサポートを行います。例えば、ベッドから車椅子への移乗補助や、歩行器を使用した歩行補助などがあります。利用者が安全に移動できるように、介護士がサポートします。
- 食事の補助: 食事時には、介護士が食事の補助を行います。これには、食事の準備や、食事の摂取の補助、食後の口腔ケアなどがあります。
- 入浴の補助: 入浴時には、介護士が補助を行います。これには、利用者の衣服の脱着の補助、体を洗う補助、入浴後の体調管理などがあります。
- 排泄の補助: 排泄時には、介護士が補助を行います。これには、排泄のタイミングの調整、トイレへの移動の補助、おむつの交換、排泄後のケアなどがあります。
2. 生活援助の例
生活援助は、利用者の日常生活をサポートする仕事です。以下に具体的な例を示します。
- 家事の援助: 介護士は、利用者の家事をサポートします。これには、掃除や洗濯、料理の準備などが含まれます。利用者の生活リズムや好みに合わせて、家事を行います。
- 買い物の援助: 介護士は、利用者と一緒に買い物に行くこともあります。利用者のニーズを理解し、安全に買い物ができるようにサポートします。
- 趣味活動のサポート: 利用者の趣味やレクリエーション活動をサポートすることもあります。例えば、絵を描く、園芸をする、音楽を聴くなど、利用者が楽しみ、リラックスできる活動を一緒に行います。
5. 介護士の魅力と課題
1. 介護士の魅力
介護士という職業は以下のような魅力があります。
- 人とのつながり: 介護士の仕事は人と人とのつながりが非常に深い仕事です。利用者やその家族との対話を通じて、人生のさまざまな側面を学ぶことができます。
- やりがい: 介護士の仕事は利用者の生活の質を向上させる役割を果たします。自分の手で直接誰かを支え、その結果として感謝の言葉を聞ける瞬間は非常にやりがいを感じる瞬間です。
- スキルアップ: 医療や福祉の知識を深める機会が多く、人間の身体や心、生活について学べることも魅力の一つです。
2. 介護士の課題
一方で、介護士の仕事には以下のような課題があります。
- 体力的な負担: 介護士の仕事は身体的にきつい場面があります。重量物の移動や利用者の体を支える等、体力を必要とする業務が多くあります。
- 精神的なストレス: 利用者の体調が急変したときや、亡くなったときなど、心に重くのしかかる瞬間もあります。また、利用者や家族からのクレーム対応なども精神的な負担となることがあります。
- 勤務形態: 施設によっては24時間体制での対応が必要となるため、夜勤や長時間労働が求められる場合があります。
以上の点を考慮し、介護士という職業を選ぶ際には、自身の体力や精神力、時間管理能力などを見極めることが重要です。
6. 介護士の所得・給与
介護士の所得や給与は、以下のような要素によって大きく影響されます。
1. 資格: 介護の資格は基本的に2つあります。「介護助手」と「介護福祉士」です。「介護福祉士」の方が資格が高度なため、給与も高くなる傾向にあります。また、ケアマネージャーの資格を持つと更に給与が上がる可能性があります。
2. 経験: 介護士の経験年数が長いほど、給与が上がることが一般的です。経験を積むことで、介護技術だけでなく、コミュニケーションスキルや問題解決能力など、介護士としての幅広いスキルを習得することが可能となります。
3. 勤務地: 勤務地によっても給与は大きく変わります。都心部や都市部では生活費が高いため、それに見合った給与が支払われる傾向にあります。一方、地方では給与が低めに設定されることもありますが、生活費は都心部に比べて低いことが多いです。
4. 勤務形態: フルタイム勤務の場合はもちろん、パートやアルバイトの場合でも、働く時間や日数によって給与が変わります。また、夜勤手当などの手当が支給される場合もあります。
具体的な数字としては、2021年時点では、全国平均の月給は約22万円〜32万円程度となっていますが、年々微増しています。ただし、これはあくまで平均的な数字であり、前述した各要素によって大きく変動する可能性があることを覚えておいてください。
7. 介護職に向いている人の特性
介護職に向いている人の特性は、以下のようなものがあります。
1. 対人スキルが高い: 介護職は、利用者やその家族、同僚など、さまざまな人々との関わりが深い仕事です。効果的なコミュニケーション能力は、信頼関係を築き、利用者のニーズを理解し、適切なケアを提供するために重要です。また、チームで働くことが多いため、他のスタッフと協力して業務を遂行する能力も求められます。
2. 忍耐力がある: 介護の現場では、体調の変化、感情の起伏など、予期しない状況に遭遇することもあります。また、重度の介護が必要な人をサポートすることは、肉体的にも精神的にも大きな負担になることがあります。そうした困難な状況でも、冷静に対応し続けるための忍耐力が求められます。
3. 要領が良い: 介護士は、様々な業務を効率よく進めることが求められます。一日の中で、身体介護、生活支援、レクリエーションの企画など、さまざまなタスクをこなす必要があります。これらをスムーズに進めるために、時間管理や優先順位の決定など、要領が良いことが必要です。
以上のような特性があると、介護職を効果的にこなすことができます。しかし、これらはあくまで「あると良い」特性であり、介護職に就く際に必須条件ではありません。多くの場合、実際に介護の現場で働きながら、これらのスキルや特性を身につけることができます。
8. 介護職になるためのステップ
- 資格を取得する: 介護福祉士や介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)などの資格を取得すると、就職活動が有利になります。
- 就職活動を行う: 自分が働きたいと考えている施設や企業に応募します。面接では、介護に対する理解や情熱をアピールしましょう。
- 経験を積む: 実際の現場で経験を積み、スキルを磨いていきます。経験が増えれば、より難易度の高い仕事に挑戦できるようになります。
これらのステップを踏んで、一人でも多くの人々が必要とする介護サービスを提供していきましょう。
介護職になるためには、まずは介護職に必要な知識や技術を学ぶ場所を見つけることが重要です。それが専門学校や短期集中講座、オンライン学習など、方法は人それぞれです。その後、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)などの資格を取得し、就職活動を始めます。無資格でも働ける施設もありますが、資格を持つことでより多くの仕事の選択肢が広がります。
9. 介護職の将来性
1. 高齢化社会と介護ニーズの増大: 高齢化社会が進む日本では、介護の需要は今後も増え続けると予想されています。人口の高齢化に伴い、介護サービスを必要とする人が増えるとともに、多様なケアのニーズが出てきます。そのため、介護職の需要は安定的であり、その意味では、介護職は非常に将来性のある職業と言えるでしょう。
2. テクノロジーの進化: AIやロボット技術の発展は、介護業界にも大きな変化をもたらしています。介護ロボットや各種センサー技術などを活用することで、肉体的な重労働や見守り等の負担を軽減することが可能となりつつあります。これにより、介護職員はより質の高いケアや、心のケアに時間を割くことが可能になると期待されています。
3. 専門性とスキルの高まり: さまざまな高齢者のニーズに対応するためには、介護の専門性やスキルが求められます。介護職の知識や技術、人間関係のスキル等は、経験や教育を通じて向上し、プロフェッショナルとして成長することができます。
以上のように、社会のニーズの増大、テクノロジーの進化、専門性の向上という観点から、介護職は将来性の高い職業といえるでしょう。
10. まとめ
介護士は、高齢者や身体が不自由な人々の生活を支える大切な役割を果たしています。介護士の主な仕事は、食事や入浴、排泄といった日常生活のサポートから、レクリエーションの企画、心のケアまで幅広い業務を担っています。
介護士の平均年収は、経験や職場によりますが、大体20〜30万円程度です。また、介護士の魅力は、人々の生活を直接支え、その感謝の言葉や笑顔を間近で見ることができる点です。一方で、肉体的にも精神的にも厳しい面もあります。それぞれの課題に対してどう向き合うか、どう解決するかは、介護職を長く続けるために重要な課題となります。