- みんなの退職理由が知りたい
- 辞めたいけど辞め方がわからない
- 辞める時って何がいるの?
今、退職や転職をお考え中の介護職の方で、辞めたいけど上司への相談どうしよう。どういう風に辞めていいのかわからない。とお悩みの方。
この記事を読んでいただければ、辞める時の流れ、必要な物、注意するべきポイントが分かります。
さらに、どの様な理由での退職が多いのか、円満に退職するにはどうすればよいか詳しく解説いたします。
みんなの退職理由ワースト5
介護職の退職理由ワースト5を紹介していきます。
引用:『令和3年度介護労働実態調査』(公益財団法人介護労働安定センター)より
あなたご自身の辞めたい理由と他の介護職の皆様の辞めたい理由と比べていかがでしたか。
周りの実情を知り、ご自身の気持ちと向き合ってみるのも良いのではないのでしょうか。
1位 職場の人間関係に問題があったため(18.8%)
介護職の退職理由で最も多かったのは、職場の人間関係という結果でした。
介護は様々な人と関わる仕事です。例えば、同僚や上司、多職種で連携を行い仕事をしていかなければなりません。
介護職は他職員とコミュニケーションをとり、連携して進めていく仕事です。1人仕事ではないので、人間関係にトラブルを抱えると、業務に支障をきたす恐れがあり、仕事が円滑に進まなくなります。
人間関係の悪化は職場での居心地を悪くし、転職を検討する方が多いようです。
2位 結婚・妊娠・出産・育児のため(16.9%)
結婚や妊娠、子育てにて生活環境の変化で退職を選ぶことが多いようです。
これは、介護業界は圧倒的に女性の職員が多いため上位にランクインとなりました。
介護の業務は体力が必要ですし、身体に負担がかかることから、妊婦や育児をしながらの勤務は難しいためであると考えられます。
さらには、夜勤業務があることも子育てと仕事を両立する事が困難で退職を決意する方は少なくないようです。
3位 自分の将来の見込みが立たない(15.4%)
将来のキャリアアップを考えながら、働いている方も多いです。
例えば、「リーダー職に就きたい」「介護支援専門員の資格を取って施設ケアマネしたい」など自分の成長をモチベーションに働く方もいらっしゃいます。
しかし、施設によっては昇給制度がない、役職のポジションが埋まっており、昇進も期待できないなど、キャリアアップも成長も見込めないと感じている方が多いようです。
4位 収入が少なかったため(14.9%)
「自分の仕事内容と収入が見合ってない」「このまま家庭を持てるのか」と給料が低いことで、労働の対価に見合っただけの給料を貰えていない不満、悩みを抱えている介護士は少なくありません。
国も介護士の給料アップを図るため、「介護職員処遇改善加算」を導入し補助を手厚くし始めていますが、業界全体の給料アップにはまだまだ至っていないのが現実です。
5位 他にいい仕事・職場があったため(13.9%)
「今より給料が高い職場に転職したい」「人間関係に疲れた」など、今の職場に不満を持っており、今の現状から脱却したい方は、「他の施設なら良い職場環境になるかもしれない」と思い希望を持って転職される。
自分が本当に働きたいと思える場所で働きたいことの現れなのでしょう。
介護職が辞める理由を伝える際の注意点
介護の現場は、チームワークと信頼関係が非常に重要な環境です。
そのため、退職を迎える際も、次の職場へと移行する前の最後の「業務」として、円満に終わらせることが望まれます。
以下に、円滑な退職を進めるための注意点を詳細に述べます。
直属の上司に伝える
退職の意志は、まずは直属の上司に伝えることが基本です。
彼らはあなたの仕事の内容や成果を最もよく知っており、その後の業務の流れをスムーズにするための鍵を握っています。
さらに、上司との良好な関係は、退職後の人生においても非常に役立つことが多いです。
その際、これまでの業務でのサポートや助言に対して、感謝の気持ちをしっかりと伝えることを忘れずに。
相談ではなく「退職の報告」として伝える
退職の意志を伝える際、それは「相談」ではなく「報告」として行うべきです。
これは、あなたの意思がしっかりと伝わり、混乱や不明確な状況を生じさせないためです。
相談というスタンスで伝えると、上司や同僚が「まだ考え直す余地があるのでは?」と感じる可能性があり、結果的に円滑な退職プロセスを妨げることが考えられます。
退職理由を伝える際、不平・不満は口にしない
退職の理由を伝えるとき、感情的になって不平や不満を口にするのは避けるべきです。
そのような言葉は、後に貴方や職場の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、退職後もこの業界でのキャリアを積むことを考えると、不必要な橋を焼かないようにしましょう。
未来のためにも、冷静に事実のみを伝えることを心掛けることが重要です。
施設への退職報告は遅くとも1~3ヶ月前までに行う
介護施設は、日々の業務が連続性を持って進行するため、退職者の後をどのように埋めるか、業務の引き継ぎをどのように行うか、などの対応に時間が必要です。
適切なタイミングでの退職報告は、後任の確保や業務のスムーズな引継ぎを可能にします。
そのため、できるだけ早めに、遅くとも1ヶ月前までには退職の意志を伝えるよう努めましょう。
業務の引継ぎは丁寧に、計画的に進める
介護の現場では、利用者様の情報や日々のケアのニュアンス、特定の業務の流れなど、細かい部分に至るまで多くの情報が存在します。
円滑に業務を進めるためには、これらの情報の引き継ぎが必要不可欠です。
退職を決意した後も、後任のスタッフやチームに対して、情報提供やトレーニングを計画的に、そして丁寧に行うことで、利用者様のケアの質を維持し、職場のスムーズな運営に貢献しましょう。
退職意思を伝えるタイミングに注意する
直属の上司に退職意思を伝えるタイミングは就業規則に記載されている場合があるのでチェックしておきましょう。
それから、シフトの作成の締日だったり引継ぎ、有給休暇の消化のことも考慮し、伝えると良いでしょう。
大きなイベント前は避けるのが無難です。職員総出で行う夏祭りなどのイベントを実施している場合、準備期間は避ける配慮があるといいですね。
相手が納得するような退職理由を伝える
家庭の事情や引っ越しなどの個人都合や、「次の職場でしかできないことに挑戦したいです」などの、ご自身のスキルアップを伝えると効果的です。
職場への不平不満を退職理由として述べないようにしましょう。
円満に退職するための流れ
円満退職するには、余裕のあるスケジュールで計画的に行動することが大切です。
退職を決めたからと言って、「明日から辞めます」ではほぼ通りません。
上記の辞める理由を伝える際のポイントを押さえ、社会人としてのマナーを守り円満に退職できるように流れを押さえましょう。
上司に退職の意向を伝える
上司に相談するときは、希望する退職日の1~3か月前に伝えておくとスムーズ
退職を伝えるのは直属の上司が一般的です。他の部署の方や、直属の上司よりも上の管理職に伝えるのはNGです。
業務の引継ぎをする
自分が退職しても確認できるよう、業務マニュアルの作成や、ファイル整理など行い、引継ぎの業務をまとめた資料を用意しておくと親切です。
きちんと同僚へ引き継げるよう、最後まで自分の仕事に責任をもってやり遂げましょう。
職場に返却するものを用意する
職場から借りていたものは、退職日までに返却できるように準備しておきましょう。
あらかじめ上司に返却するものを、確認しておくとスムーズです。
当日になって慌てないようにしましょう。
必要書類の手続きをする
退職するとき、会社から受け取る重要な書類があります。
会社から受け取る書類は、確定申告や失業給付金の手続きに必要ですので、各種書類を受け取ったら、不足がないか、必ず確認しましょう。
離職票は退職後に交付されるので、注意しましょう。
退職する
退職日は備品の返却や書類の受け取りをします。
今までお世話になった上司、職員に挨拶したり、ロッカーや靴箱の清掃をするとよいでしょう。
職場に菓子折りを置いたりすると、好印象を残し退職できますね。
利用者様への挨拶は注意が必要です。
退職により担当が変わることに不安を抱かれる可能性があるためです。
そういった利用者様には上司と相談した上で判断し、その利用者様にとってどうしたら一番良いのか考えるようにしましょう。
退職を引き止められた場合
現在の介護業界は人手不足ですので、退職の意向を伝えたところ、引き止めにあった。
なんて話はよく聞きます。そのような時、どのように対処すればよいかご紹介します。
「あなたにいてもらわないと困る」など情に訴えてくる
1番よくあるパターンなのではないでしょうか。「あなたに抜けられると困る」「利用者さんの信頼も厚いのに」などと上司から言われると、気持ちもグラグラと揺れてしまうものです。
ですが、その時の感情に流されず、頼りにしていただいていることに感謝を伝え、家庭の事情や「次の職場でしかできないことに挑戦したいです」などの退職理由を再度説明し、退職の意思は変わらないことをお話しましょう。
給料アップや昇進話をされる
「給料を上げるから」「リーダー職に推薦するから」など提案を持ち掛け揺さぶってくるが、ほとんどが実現しない可能性が高いです。
こういう時は、ご提案ありがとうございます。ですが、熟考した結果やはり退職意思は変わりません。と伝えましょう。
「損害賠償請求をする」など脅される
ごく稀に、「今やめるなら損害賠償請求する」などと脅されるケースがあるようです。退職者が損害賠償請求の義務を負う事はよほどの例外がない限りありません。
このような脅しは基本的に受け流しておけば良いです。「違約金を定めたり、損害賠償を予定する契約をしてはならない」と労働基準法16条に定められています。万が一訴えられそうならば、労働基準監督署へご相談を。
出典 e-Gov法令検索 「労働基準法第16条」
退職に関するよくある質問
介護職員としての退職に際して、多くの疑問や不安が生まれるのは自然なことです。
以下に、よくある質問とその答えを詳細に説明します。
- 退職は転職活動の前と後どちらがいい?
退職のタイミングは、個人の状況や目標によって異なります。しかし、経済的な安定を考えると、新しい職を確保してから退職する方が安心できる選択となるでしょう。転職活動中に給与の収入が途切れることを避けるため、新しい職場が決まってからの退職をおすすめします。 - 有給休暇を使いきってから転職するには?
有給休暇は労働者の権利として確保されているため、使用することは可能です。しかし、使用する場合も業務の引き継ぎや職場の状況を考慮し、計画的に取得することが望ましいです。無計画に休暇を取ることで、業務に支障をきたす場合がありますので注意が必要です。 - ボーナスをもらってから退職するのはダメ?
ボーナスの受領後の退職には、法的な問題はありません。しかし、施設や企業の文化、そして同僚との人間関係を考慮した上での判断が必要です。急な退職は、チームの士気や業務遂行に影響を与える可能性があるため、事前のコミュニケーションを大切にしましょう。 - 「退職できない」理由は存在するのか?
一般的に、日本の労働法においては、「退職できない」という制限は存在しません。但し、個別の雇用契約や会社の規程によっては、特定の期間中の退職を制限する条項がある場合も考えられます。雇用契約や就業規則をよく確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。 - 「退職願」と「退職届」の違いは?
「退職願」とは、従業員が自らの意向で退職を希望する旨を伝える文書です。一方、「退職届」は、退職の意向が固まり、正式に退職の手続きを行うための書類です。退職願はあくまで「希望」を示すものなのに対し、退職届はその「決定」を示すものとなります。
まとめ
様々な理由で退職、転職を希望されていても、現在の介護業界はどこも、慢性的な人手不足です。
やりたいことがあるにも関わらず転職を我慢して退職のタイミングを逃し、退職をためらい働いている方も多いのではないかと思います。
ですが、今一度ご自身と向き合い、気持ちを整理した上で、相手が納得する退職理由を伝えましょう。
この記事で述べてきたことを参考にしていただき、少しでも悩みが解決でき、円満に退職出来れば幸いです。